さくら総合病院医療法人 医仁会さくら総合病院
SAKURA GENERAL HOSPITAL

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新年のご挨拶 病院長 小林 豊

「蛹(さなぎ)」

さくら総合病院長 2020年ご挨拶1

蝶の蛹(さなぎ)って見た事はあるであろうか?グロテスクである。蝶は綺麗でチヤホヤされるが、その流麗な振舞いや淡麗な容姿からは想像もつかない蛹は、決して脚光を浴びる事なく、地味であり、また気持ち悪がられたりする。このように卵→幼虫→蛹→成虫、と成長と共に体の仕組みや形を変えていくことを『完全変態』という。蝶の誕生は卵の孵化から始まる。卵の孵化は容易なことではない。卵のうちに天敵に食べられてしまうことだってある。アゲハ蝶を例にとると、100個の卵が孵化するまでに天敵に食べられ、95.3個に減る。孵化して一齢(初齢)幼虫になれるのは47.2頭に減る。この卵から一齢幼虫になることを孵化、という。この中で脱皮して二齢幼虫になれるのは17.0頭、三齢幼虫になれるのは8.4頭、四齢幼虫は2.6頭、五齢幼虫(いわゆるアオムシ)は1.8頭しかなれない。産み落とされた卵の2%弱しかアオムシになれない。我々が出くわすアオムシは、実に優秀である。一齢幼虫から四齢幼虫までは黒色でいわゆるイモムシであるが、これが五齢幼虫になると緑色に変わり蛹(さなぎ)になる準備をする。この中で蛹になれるのは1.6頭。蛹から成虫になれるのは0.6頭、と言われている。この蛹が成虫になることを羽化、という。


当法人は1980年に診療所として「大口外科クリニック」という卵となった。地域のニーズにより早々に孵化し、「大口クリニック」となった。「大口クリニック」は脱皮して「さくら病院」となり、止まることなく、いつか羽化してやるぞ、と脱皮を繰り返して、「さくら病院+さくら荘+老人ホーム太郎と花子」となった。その都度脱皮は簡単なことではなく、奮闘努力で脱皮をしてきた。私がこの法人にやってきた2011年までに幾多もの脱皮を繰り返し、成長してきていた。施設としての規模と建物が増え、医療と福祉の複合体となってきていた。2011年からは医療安全や感染管理の整備が始まり、消防からのドクターカーの要請も著明に増えた。1980年から2011年までが卵からの孵化、そして黒い“イモムシ”としてどんどん脱皮してきたphaseだった。2011年から脱皮し緑の“アオムシ” となったわけである。2019年からは蛹となり、成虫になるために一番重要な準備に取り掛かっている。


さくら総合病院長 2020年ご挨拶2

では、動かない、目立たない、地味な蛹はどんな成長をしているのであろうか。アオムシが蝶になるための蛹である。葉の上を這う虫が流麗に羽ばたく蝶になるのである。その激変が蛹の中でなされているのである。しかし外から見た時に、その激変している様に気がつく人はいない。気がつかなくていいのである。チヤホヤはされない。虎視眈々とアオムシは蛹の中で蝶々になっていくのである。


2019年4月に私が理事長に着任し、法人の経営と管理の体制をリニューアルした。これを持って蛹への突入である。法人の外から見ると変化にはなかなか気がつかれないだろう。今、当法人は蛹である。さくら総合病院+さくら総合福祉センターがこの地域に本当に揺るぎない存在になるために、地域や社会の求めに真に応えることができる蝶になるために、蛹の中で変化し続けてきているのである。医師や看護師、コメディカル、事務職員、福祉施設職員の一部は入れ替わり、本当にいいメンバーになってきた。質も高まり、有能な人材がかなり増えてきた。これに伴って離職率も下がり、医療安全や感染管理といった現代の総合病院に求められる仕組みも充実してきた。こうして、より大きく高度な医療を提供している病院とも胸を張って連携できるようになってきた。時にはそのような大病院の何らかの力になれるように成長してきた。世の中があるべき姿に目まぐるしく変貌を遂げつつある昨今、美しい蝶々になるべく、当法人の蛹の中での改革は続いていく。地域の方々を中心に多くの人々に支えられながら、蛹の中で目立たない成長をしている。いずれ羽ばたく蝶になりたくて。卵としてこの地に産み落とされた時に夢見た未来を実現するために。


さくら総合病院長 2020年ご挨拶3
[Human2020年1月号特集より抜粋]

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