医療法人 医仁会
さくら総合病院

Sakura General Hospital

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新年のご挨拶 病院長 小林 豊

「区切り、そして始まり。」


さくら総合病院長 2019年ご挨拶

「新しい元号は何になるのだろう?」そんな疑問をあちこちで聞き、当面は答えの出ないこのクイズに想いを馳せ、皆が思い思いに候補を口にする。皆、面白いくらい真剣に候補を考え、その理由や妥当性を「新元号」を手にした官房長官になったかの如く、語る。もちろんその答えは、恐らく4月までは出ることがないため、その議論に正しいゴールはまだない。我々「昭和世代」にとって元号二つ前は「明治世代」であり、今やご存命の方は全国に2000人程度と言われ、病院にいらっしゃる患者さんでも本当に少なくなった。新しい「新元号世代にとっての我々「昭和世代」は、我々にとっての「明治世代」かと思うと恐ろしさすら覚える。


元号の歴史は、紀元前140年に中国・前漢で生まれた「建元」が世界初の元号として知られている。その後、日本、ベトナム、朝鮮半島で独自の元号が用いられて、日本では645年の大化の改新で知られる「大化」から歴史を積み上げられていることは意外と知られていない。「大化」から始まって「平成」が231番目というから、その数には驚く。また日本以外は1946年に全ての元号制度は廃止されている。現在、独自の元号制度が残存しているのは、日本だけなのである。現代では天皇の世代交代の時にのみ行われる元号の改変は、日本の天皇制の権威を象徴するという意見もあるが、日本ではこの元号が見事なまでに生活に浸透しているが、そこに天皇制を意識して日常を過ごしている人は少ない。神道イズムの浸透には寄与しておらず、与党に怒り心頭の野党が新党を結成して政権を奪取してもこの元号は変わらず、政治情勢の振盪を持ってしても、揺るがない元号は日本人の平穏な国民性の象徴なのかもしれない。


さくら総合病院長 2019年ご挨拶

時代が許したファジーやグレーが、昨今クリアな線引きが新たになされることによって白黒はっきりさせられる時代になり、許容されていたことが罰せられたり、明るみに出て是正されることが、大変多くなってきている。「過剰な時間外労働やサービス残業」「企業や学校のみならずスポーツ界でも露呈したハラスメント」「大学医学部入試の不適正加点」などが続々と露呈しているが、これらは最近始まったものではなく、旧来から「誰もがやっていること」として、当然のことのように扱われ、これに疑問を呈する声すら聞くことはなかった。ここにきて、このような「過去の常識」が強く否定され、平成の終焉と共に『時代の許さない過去の遺物』として世の中から排除されつつある。あるべき姿になってきた、というべきことなのだろうが、長きにわたってこの「過去の常識」で積み上げられた現代である以上は、今後も様々な摩擦や隙間に受ける影響を出来事や事件として目にするのは避けられないだろう。


当法人もこの新しい元号を迎える本年、新たな一歩を踏み出そうとしている。世代交代が織りなす摩擦や変革は、前世代からは正しいとはなかなか評されず、次世代からはいつの間にか当たり前のこととして受け入れられる。常識も風土も時代とともに変化し、成長し続けるものなのである。「新しき道、先駆け行かむ」とするには、そのさらに先を鑑みて導いていく必要がある。時代の流れに合わせた変革こそが常に求められる管理であり、時にそれは批判を受けるが、組織の大きな前進である。新しい元号とともに迎える当法人の区切りであり、これが新たな始まりである。法人職員一同とともに、そして患者さんや入所者の皆さん、利用者の皆さん、そしてそのご家族と共に、新しい医療法人医仁会を作り上げていく覚悟をここに記す。


さくら総合病院長 2019年ご挨拶
[Human2019年1月号特集より抜粋]