整形外科に着任された荒尾和彦医師にお話をうかがいました
※この記事は院内誌Human2025年5月号で紹介された過去の記事です
骨密度の検査も含め、ご相談がありましたら
さくら総合病院 整形外科まで足をお運びください。
初めまして、整形外科医師の荒尾和彦です。
名古屋市中区大須に生まれました。高校まで、名古屋市の公立学校で学びました。金沢大学を卒業して、江南市の昭和病院(現 江南厚生病院)で1年間初期研修しました。以降、名古屋大学整形外科教室に籍をおき愛知県を中心に総合病院勤務をしてまいりました。2025年3月で蒲郡市民病院を定年退職し、縁あって4月よりお世話になります。当院では、一般整形外科・リハビリテーション科を担当させていただきます。
近年高齢化に従いまして、骨粗鬆症の患者さんの骨折をよく診察しました。大腿骨近位端骨折・脊椎圧迫骨折・橈骨遠位端骨折(手関節遠位の母指測)が主なところです。骨粗鬆症は、日本人1,300万人が発症していると報告が以前にありました。現在では、2,000万人を越えている印象です。大腿骨近位端骨折で、年間20万人・脊椎圧迫骨折で100万人との統計があります。骨折を発症しますと、疼痛のみでなく元の状態に戻るためには手術・リハビリテーションなどが必要となります。短くない治療期間がいります。また、患者さんのみならず家族の精神的・経済的・時間的な負担が生じます。厚生労働省も予算を出し、早急の骨粗鬆症対策を始めました。
骨粗鬆症予防・治療には、まずは現在の状態を把握することです。ショッピングモールなどで簡易検査はされているようですが、医療機関での検査をお勧めします。多くの施設でX線を用いて測定します。DXA検査といいます。被爆量は、胸部写真の数分の1です。年齢等で変わりますが、年3回ほどの検査が推奨されています。結果により、血液等ほかの検査も追加します。
治療・予防には、運動があります。数多く紹介されていますが、毎日無理なく続けられることが重要です。
若い人の場合、骨密度が70%以下に減りますと薬治療の対象となります。ビタミンDをはじめとする、様々な方法があります。整形外科・内科で相談されるのが良いでしょう。サプリメントは、あまり効果がないので勧めません。カルシウムの多い食事を積極的に取りましょう。
最後に、日光浴の話をします。晴れた日の直射日光(日焼け止め×)は脂肪をビタミンDに変えます。両手の平ぐらいを1日20分でよいそうです。日焼けが気にならない部位を日光にさらすのも良いのでは。
ご相談がありましたら、当院整形外科まで足をお運びください。