さくら総合病院 医療コラム
消化器癌における
外科手術治療について

消化器病センター 加藤医師にお話をうかがいました

※この記事は院内誌Human2025年7月号で紹介された過去の記事です

我々外科医は日々治療の進歩に合わせ、最善の治療法を患者さんに提供すること、
日々手術の技術も向上させ、より良い手術を提供することが使命と考えております。


 
 
こんにちは、さくら総合病院消化器病センターの加藤真司と申します。2016年に岐阜大学を卒業し、名古屋掖済会病院で初期研修を行ない、その後は名古屋大学腫瘍外科に入局、引き続き名古屋掖済会病院で後期研修を終えた後、いくつかの関連病院で外科医としての研鑽を積んで参りました。
今後はさくら総合病院の外科医として、地域の皆様のお力になれるよう、日々診療を行なって参りますので、何卒宜しくお願いします。

これまで勤めてきた病院では数多くの消化器癌症例に携わらせていただきました。
まずやはり癌に対しては早期発見が肝要です。定期的に検診を受け、異常があれば精密検査を受けに受診いただくこと、何か気になる症状があれば受診し、検査についてご相談いただくことが早期発見につながりますので、お気軽に受診ください。

胃癌や大腸癌では早期癌であれば、内視鏡的切除が可能なこともあり、手術よりも低侵襲な治療が受けられます。また内視鏡的切除の適応とはならなくても、手術で切除することで根治を得ることができます。
癌の多くは自覚症状が乏しいことも多く、残念ながら進行癌となってから発見されることもあります。しかし、医療の進歩により、進行癌となってからも様々な治療戦略があります。
近年では消化器癌に対する薬物療法として、従来の抗腫瘍薬に加え、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬の使用が可能となってきています。さらに放射線治療についてもその治療効果が向上し、薬物治療組み合わせで一部の臓器においては手術に匹敵する治療成績が報告されるようになってきています。
これらのいわゆる手術以外の治療法の急速な進歩により、外科的手術を必要としない症例も増えてくる一方で、従来は手術を行なえなかった症例が、これらの治療を行なった結果、手術で切除可能となる症例が増加してきています。

外科医の守備範囲が変化してきている中で、やはり重症例、進行例では外科手術は「最後の砦」となっています。また近年の消化器癌手術の発展としては、腹腔鏡手術が普及し、身体的、精神的負担を軽減する手法が数多く開発されてきています。
我々外科医は日々治療の進歩に合わせ、最善の治療法を患者さんに提供すること、日々手術の技術も向上させ、より良い手術を提供することが使命と考えております。
癌に対する治療は様々な医療スタッフとの連携で成り立っています。
診断を行なう消化器内科医師、病棟で術前術後管理を行なう看護スタッフ、外科医とともに手術を遂行する手術室スタッフ、術後リハビリテーションを行なう理学療法士等、多くのスタッフが関わりますので、密に連携を取り、協力をし合うことで患者さんにより良い治療を提供したいと考えております。

繰り返しになりますが、この地域の方々のお力に少しでもお力になれるよう精進し、日々誠実な診療を行なって参りますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
ご相談がありましたら、当院整形外科まで足をお運びください。
 

医員
学位・専門医
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医
消化器がん外科治療認定医
検診マンモグラフィ読影認定医
Certificate of da Vinci Technology Training as Console Surgeon
緩和ケア医師研修修了

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